2013年6月11日火曜日

社説

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 お笑いコンビのとんねるずに「大きなお世話サマー」という歌がある。〈真夏に不似合いな恋人と呼ばれても/大きな 大きな お世話サマー〉。
 二十数年前の曲を思い出させてくれたのは、今月始まった「スーパークールビズ」。今回は女性向けの涼しげな服装などを提案したものの、「大きなお世話」とそっぽを向かれているからだ。
 夏の軽装は大賛成。省エネ効果だけでなく、熱帯のような日本の夏に冷涼な英国発祥の背広姿はもともと無理がある。沖縄の「かりゆしウエア」にすればもっと仕事もはかどろう。
 男性への浸透に気をよくした環境省は女性にも、と考えた。髪はまとめ、風を通すスカートや丈の短いパンツを。下着は吸湿性が重要。日傘や帽子を忘れず、汗崩れしにくい化粧、汗染み・におい対策もしっかりと…。
 過ぎたるは何とやら。「そんなのとっくにやってます」「役所が口を出すことじゃない」と反応は冷ややかだ。毎年、夏の身だしなみに気を配っている女性には「何をいまさら」であろう。
 今の政権になって似たような話をよく聞く。妊娠・出産の知識を盛り込んだ「女性手帳」の配布や、「3年間抱っこし放題」の育児休業3年制。どちらも女性に妊娠・出産や育児を押しつけるのかと批判された。「家族は、互いに助け合わなければならない」と明記した憲法改正草案もある。「大きな~」。また、あの歌が耳によみがえってきた。 

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Kingo Sasa【笹  謹吾】شكرا 🌻



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